アウトドアに学ぶ 災害の対応

もしものとき自分のいのちを守る

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こどもだけのときにも災害は起きます。 「自分のいのちを守る」ための『72時間サバイバル』です。



防災減災教育事業を始めるきっかけになったのは、東日本大震災、北海道胆振東部地震で、他の人がうまく対応できていないと感じたからです。
私も昔から急な変化に対応ができていたかというとそうではありませんでした。
子どものころは、インドア派で器用なほうではありませんでした。

では、なぜそういうものが身についたかというと長年のアウトドア活動からです。
自然の中では変化が起こります。

その中での振る舞いが、スキルとして定着したからです。

パラグライダーでのフライトを例にします。

テイクオフ時間、フライトコース、ランディング時間を、その日の気象条件に合わせてフライトプランを決めます。
しかしパラグライダーは、動力なしで、風に弱い乗り物です。
上昇気流、風の強さ向きに影響を受けます。
フライトプラン通りに行くとは限りません。

また、フライト中にインスピレーションが湧き起ることもあります。
上昇気流がありそうな雲をルート以外で発見したなどです。
自然の中ならではの醍醐味です。
試してみたい。
しかしそのため過度なリスクが生じたり、窮地に追い込まれるのは好ましくありません。

常に可能性とリスクの狭間にあります。
そのためのリスクマネジメントだと考えています。

フライト中は、風の変化、機体の制御など、優雅に飛んでいるというよりはけっこう忙しいのです。
昔から言われているのは、「パイロットの三割頭」です。
飛行中のパイロットは地上での三割しか頭が働かないからです。

もしフライトプランを変更する場合に自分に質問をします。
むずかしい質問はしません。
まちがう可能性もあります。

質問は次の3つです。

「なぜそう思ったか?その根拠は」
「メリットは?、デメリットは?」
「Bプランは?」(Bプランというの代替案のことです。現プランが失敗した場合のエスケーププランです。)

明確な答えがない場合もあります。
そういったときには、少し試し、質問を繰り返します。

質問の内容はこれに落ち着きました。

自然環境の変化での意思決定という意味では、災害であっても同じです。
参考にしてみてください!


投稿者名 上野陸 投稿日時 2019年05月15日 | Permalink

「アクセルとブレーキ踏み間違い事故」はなぜなくならない

もしものとき自分のいのちを守る

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こどもだけのときにも災害は起きます。 「自分のいのちを守る」ための『72時間サバイバル』です。



サニーサイドアウトドアスクール 校長の上野です。
アクセルとブレーキの踏み間違い事故がなくなりません。

事故を起こすと悲惨になることが分かっていてもなくならないということは、構造上だれにでも起こると考えたほうが妥当です。
自分が加害者にならないようにするためには、事故のメカニズムを知ることと自分事として対策をすることが現実的です。


「一昔前に流行ったMT車の場合、アクセルとブレーキの他にクラッチとの連携操作が必要だったので、そのことが事故防止に貢献し、踏み間違いによる事故は問題になるほど発生していませんでした
AT車暴走事故防止の決定打「ナルセペダル」が普及しない理由 | DOL特別レポート | ダイヤモンド・オンライン

特に渋滞時にオートマ車は便利です。
便利なものが普及するのはしかたがないことです。
私は、まれに仕事でマニュアル車を運転することはありますが、大半はオートマ車です。


人間は驚いた時に逃げるための準備反射、すなわち“踏ん張る”動作が発生するので、ペダルに足が乗っていれば、それを踏み込む状況が発生します。ブレーキペダルに比べてアクセルペダルを踏む回数ははるかに多く、同じ動作を繰り返すに従って、アクセル操作の方がより反射的に素早くできるようになってしまいます。このメカニズムによって、事故に遭いそうな場面で、ブレーキでなくアクセルを踏んでしまう場合があるのです。これが、ペダルの踏み間違いの発生メカニズムの1つといえます」(松永氏)
AT車暴走事故防止の決定打「ナルセペダル」が普及しない理由 | DOL特別レポート | ダイヤモンド・オンライン

アクセルとブレーキのペダルは隣にあり、踏むという行動も同じです。間違いやすい構造といえます。


「突然の加速」に起因する事件を調査してきたのだ。
低速で走行中の、あるいは完全に停車中の車が、急にスロットル全開で走り出す事故は、早くも1930年代に報告されているが、オートマチックトランスミッションの採用とともに明らかに急増した。
 複数の運転者とその弁護士は、スロットルが自然に開いて車が暴走し、止めようとしてもブレーキが効かなかったと、強く主張したが、1989年のNHTSAの最終報告書、いわいる「シルバーブック」によれば、ブレーキとスロットルが同時に故障し、後でまたさっと正常な状態に戻って、しかも全く証拠を残さないと言うような事は、過去の機械的欠陥の事例からは説明がつかない、とされた。急加速のほぼ全ての事例はひとえに人為的ミスによって引き起こされた、とNHTSAは結論を下している。運転手はブレーキのつもりでアクセルを踏んだん違いない、というのだ。
「最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか」ジェームズ・R・チャイルズ

《ロードアンドトラック》誌によれば、1984年以降に製造されたアウディ5000は、アイドリング時にちょっとした問題があり、エンジンの回転数が不意に上がるーそれほど高出力になるわけではないがーことがあった。複雑に入り組んだ人為ミスのパターンを研究している人たちによれば、急加速する事例がこの形式の車に多く見られるのは、エンジンの回転数が不意に上がるせいだと言う。回転数の上がったことに驚いた運転手が、ブレーキを踏み込もうとして踏み損なうからだと。
腿と足は、腕と手に比べれば力は強いのだが、足は手よりも運動能力が劣り、強い恐怖を感じるような状況ではことにその傾向が強い。

「最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか」ジェームズ・R・チャイルズ

ペダルを踏み間違う確率は、運転者が高齢になるほど増加するし、また、縦列駐車の場合のように運転者が体をひねってこうを見ながらバックするときにも増加する。もし急加速が起こったら、いかなる場合にも運転者はギアをニュートラルに入れ、イグニッションキーを切るべきだ。
「最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか」ジェームズ・R・チャイルズ

どうでしょうか?

アクセルとブレーキの構造、人の生理的な行動から「アクセルとブレーキを踏み間違える」というメカニズムがある以上は、誰にでも起こる可能性があります。

自分が加害者にならないためにも、
「もし車が暴走したとき」あなたならどうしますか?


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投稿者名 上野陸 投稿日時 2019年05月10日 | Permalink

災害時の連絡方法は?

もしものとき自分のいのちを守る

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こどもだけのときにも災害は起きます。 「自分のいのちを守る」ための『72時間サバイバル』です。



こんにちは、サニーサイドアウトドアスクール校長の上野です。
災害時の会社や家族への連絡方法はどのように考えていますか?

すぐに思い浮かべるのは携帯電話でしょう。
しかし何か大きな災害が発生すると、被災地に電話が集中し処理能力をオーバーしてしまう輻輳という状態になりつながりません。
何度も掛け直すことによってさらに状況は悪化します。

基地局が被害を被ったり、停電で機能が停止してしまうこともあります。

キャリアの通信規制があります。

SNSはインターネットで通話とは別ルートなので有効です。
親しい人はLINE。仕事関係ではfacebookなど使い分けることができます。
twitterの情報は早いのですが、デマも流れます。一次情報にできるだけ近づくようにして判断してください。

しかし昨年の北海道胆振東部地震では、私の住んでいるところは、携帯電話のインターネットが一日でつながらなくなりました。

災害の被害により、通信手段は確実なものはありません。

災害時の電話以外の連絡方法や、連絡がつかない場合もあるので、「避難する合流場所をいくつか決めておく」「171災害伝言ダイヤルを活用する」「出社か自宅待機かのラインを決めておく」などお互いに行動のガイドラインをあらかじめ決めておく必要があります。


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投稿者名 上野陸 投稿日時 2019年05月09日 | Permalink

もしも航空機火災に巻き込まれたら

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こどもだけのときにも災害は起きます。 「自分のいのちを守る」ための『72時間サバイバル』です。


あーやんさんによるイラストACからのイラスト



5/5にアエロフロート・ロシア航空の旅客機スホイ・スーパージェット100(73名の乗客と5名の客室乗務員)が緊急着陸して炎上した。
死者は41名になりました。


アメリカの国家運輸安全委員会 (NTSB) の行った調査によると、航空機に乗って死亡事故に遭遇する確率は0.0009%であるという。
航空事故 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/航空事故

確率的には事故の可能性は低いとはいえ、不幸にも航空機の火災に巻き込まれた時の対処法をたまたま読んだのでシェアしておきます。


緊急事態から脱出するために乗客がすべきこと

飛行機というものは、一度火災が発生すれば、地上で停止している場合でも不時着する場合でも、ほとんど同じくらい危険な目にあうものだ。キャビンの火災では、ときには100人以上が極めて危険な状況に追い込まれる。こうした最悪の事態に対しては、事前によく考えておいたほうがいい。
ジェット機がエンジン爆発をおこしたり、低速で滑走路に不時着したりして搭載燃料に引火すると、そうした事故につながる。

今はまだ命のある乗客も、脱出するのにほんの数分、おそらく秒単位の時間しか残されていないという状況になるのだ。

狭い機内では、愉快に身を伏せれば踏みつけられる。鼻と口をおおためのハンカチを取り出そうと行のバスだけで、叩かれてバランスをしまう危険がある。人々は切羽詰まって、狭い非常ドアに殺到する。

合成樹脂とジェット燃料の燃えた煙を吸引すると、たちまち中毒にかかる。

死亡したその大半は高熱ではなく、煙を吸い込んだことが命取りとなった。すすけた黒色混合物には何百と言う有毒化学物質が含まれている。

知っておいたほうが良い予防措置もある。緊急時についての説明の間、他の乗客は新聞を読んでいても、あなたはいちばん近い非常ドアまでの椅子の背もたれの数を覚えておこう。火災が発生した場合には、このことを知っておくことが必要になる。なぜなら煙が黒くて濃いので、通路から非常ドアは見えないからだ。煙の下になろうと、かがみこんではいけない。機内がほぼ無人状態でなければ、踏みつけられるだけだ。空港で搭乗した時、どのドアから入ってきたということは、たまたまそれがいちばん近くて安全なドアでないかぎりは、無視せよ。機体の炎上と崩壊を調査した結果、ほとんどの乗客は、空いている出口の脇を通りすぎ、わざわざ苦労して客室の端まで歩いて、搭乗口のドアめがけて殺到することが明らかになっている。もし飛行機が停止し、それが火災発生のせいだと分かったら、ただちに脱出せよ。

「最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか」 ジェームズ・R・チャイルズ 草思社

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投稿者名 上野陸 投稿日時 2019年05月08日 | Permalink

災害後の事業開始のタイミングその2

もしものとき自分のいのちを守る

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こどもだけのときにも災害は起きます。 「自分のいのちを守る」ための『72時間サバイバル』です。



おはようございます。
サニーサイドアウトドアスクール校長の上野です。

前回に続き、大きな災害後の事業再開のタイミングについて書きます。

影響のある大きな災害のあとでは、その人のおかれている状況によって欲求が違ってきます。
有名なのがマズローの欲求段階説です。



自分の業務でどの欲求を満たすことができるのか。
どの欲求を満たすためにモノやサービスを提供できるのかだと思います。
いずれにしても全てを満たすことはできませんので、いろいろな意見が出ます。

二回の震災を通して感じたのは、復興までには時間がかかります。
物理的に回復したとしても、風評など回復には一定の時間が必要なものがあります。
安全性に問題がなければ、通常の姿を見せることは早い復興に貢献できると考えます。

昨年の北海道胆振東部地震であったことです。
海外からの留学生が研修旅行で北海道に来ていました。
タイミング悪く、その少し前の台風から地震までの期間にあたってしまいました。
楽しみにしていた北海道旅行なのですが、どこにも行けません。
「北海道の思い出をつくりたい。」
私の住んでいる地区は、地震によるブラックアウトの被害だけでした。電力が回復したので、パラグライダーの二人乗りの体験を再開しました。
とてもよろこんでくれました。

9月の北海道は観光客が多い時期です。
すでに北海道に来てしまっている方やチケットがキャンセルできない人などがいます。
気分転換したい人もいるでしょう。
そういう人のために事業を行うのも復興の一助だと感じました。

災害後の事業について一定の道筋を考えることは必要だと思います。
参考にしてください。


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投稿者名 上野陸 投稿日時 2019年05月08日 | Permalink