無意識の「Flight or Fight状態」あと一つのFとは

こんにちは。サニーサイドアウトドアスクール校長の上野です。

5/9の「最初の体験では思わぬ反応が…」で書きましたが、人は差し迫った状況になると無意識に「Flight or Fight状態」にスイッチが入ります。

つまり、戦うか飛ぶように逃げるかどちらかに全力を注ぎます。
頭が白くなるという表現は、それ以外は排除して集中しているとも言えます。

パラグライダーの初心者コースをしていて、もう一つのFがあるのに気づきました。

それはFreezeで、凍ったように「かたまる」です。

この「かたまる」には2つあります。

一つ目は、「足がすくむ」状態です。

二つ目は、力んでしまっている状態です。無酸素運動になり筋緊張して動かなくなったり、オーバーコントロールになってしまいます。

いずれにしても、サバンナで獣に襲われているのではないので、「Flight or Fight or Freeze状態」では、その状況に適切に行動がコントロールできず、いわゆるハンドルを握っている状態ではありません。

こういう時には、目線が泳ぎ全体像が見えていません。

まず目標を見ることを意識してもらいます。

これで余計な動作が減り、落ち着きます。

あとは一つずつ、ハンドルを握ってコントロールすることをおぼえればいいのです。

それではまた!

初めてのフライト体験で、あなたはどの状態になるでしょうか。
気になった方はこちらをクリックしてください!


投稿者名 上野陸 投稿日時 2021年06月03日 | Permalink

仲間の影響はあるよね

こんにちは、サニーサイドアウトドアスクールの上野陸です。

パラグライダー体験は、親しい仲間、会社の同僚、同級生など様々なグループで来る方が多いです。

お休みに一緒に遊ぶくらい信頼しているという関係性ですね。

グループによってうまく飛べるグループとなかなか飛べないグループがあります。

そこにはどのような違いがあるのか?

感じたことを書いてみます。



パラグライダーが非日常体験ですのでストレートに素の反応が出やすいです。

誰に影響を受けるかという視点で見てみましょう。

・インストラクターということで、私がパラグライダー体験の概略、今日の目標、注意点、説明、デモフライトを行います。

しかし私のデモフライトは、関心があっても共感はしないようです。
「あれならできる」とはならないです。

・近くでパラグライダーのパイロットが練習している。

これも年齢が近くても別次元の人という認識で共感しないようです。

・誰に共感するかというと、一緒にきた仲間やグループレッスンでスタートした人です。
この人の影響は一番大きいと感じました。



次にどのような影響を受けたかです。

その集団によって方向性が異なっています。

一つは、昨日書いたネガティブ バイアスが影響した場合です。

人は、天敵や自然災害などの危険に脅かされていた時代が長かったために、危険に対して敏感に反応するというものです。

ネガティブバイアスが連鎖すると、できないイメージが先行し、「むずかしい」オーラにつつまれ負のスパイラルが続きます。

過敏に反応して必要以上にむずかしくしてしまっています。



反対に、できる集団であっても、ネガティブ バイアスは発生します。

しかしできる集団は、それに引っ張られないで冗談を言い合うなど、リセットするのが上手いです。

適切な道具、風(環境)、行動をとれば、因果関係として適切な成果が出るのは不思議ではないのです。

自転車に乗れるのは、多くの人が自転車に乗っているからだというのを聞いたことがありますか。

自分も乗れるようになるだろうと練習するわけです。



ネガティブ バイアスなどの無意識の作用は止めようがありません。

しかし意識を通してどのように行動をするかを選択することはできます。

それによって方向性や結果が変わることがあると感じました。



非日常のパラグライダー体験は、素の部分が出やすいので仲間とチャレンジすると発見があります。

気になった方はこちらをクリックしてください!






投稿者名 上野陸 投稿日時 2021年05月10日 | Permalink

最初の体験では思わぬ反応が…


こんにちは、サニーサイドアウトドアスクール校長の上野です。

ゴールデンウイーク中は、仲間やカップルなどグループでパラグライダー体験に来ていただきました。

パラグライダーの特徴として、初めての飛行ということがあります。

人は鳥のように「飛ぶ」という遺伝子を持っていないので、誰しも初めての体験になります。

2つの反応が同時に起こります。

鳥のように飛んでみたいという期待のワクワク感、もう一つは落ちたらどうしようという不安のドキドキ感です。

ギリシャ神話のイカロスの翼にもあるように、人類が長らく持っている感情です。

人の脳は複雑なので相反する考えが起こります。

これによって最初は複雑な反応をすることがあります。

私たちの使っているゲレンデは、広大な芝の緩斜面です。高さはインストラクターの手の届く高さで2m程度です。

様々な怪奇現象が起こることがあります。

「足は動いているのですが前に進んでいない」

「Aライザーというテープを最初に持ってパラグライダーに力をかけて風を入れ、翼が頭上に来たらそのAライザーというテープを離すのですが、手が離れない」

「やみくもに走ってしまう」

これはとっさに出た無意識の行動です。

人は、天敵や自然災害などの危険に脅かされていた時代が長かったために、危険に対して敏感に反応する「ネガティブバイアス」が備わっています。

これらの怪奇現象は、「飛ぶ」ということに「ネガティブバイアス」が発動したのですね。

危険を察知すると、「Flight or Fight状態」モードになります。Flightは飛ぶですが、この場合は飛んで逃げるの意味です。Fightは戦うの戦闘モードです。「窮鼠猫を嚙む」ですね。

このどちらかを選ぶのです。

脳はそのためだけの回路を残して後はシャットダウンしてしまいます。

選択肢をたくさん用意すると迷ってしまうので、他のことは考えずにそこに全力を注ぎ込みます。

戦うため、逃げるため以外の頭が働かなくなってしまうのです。
(参考 科学的に幸せになれる 脳磨き 岩崎一郎 著 )

しかしこのパラグライダーのように動作や操作が必要なものには、この「Flight or Fight状態」は、過剰な操作になってしまったり、動作が足りない誤動作につながってしまいます。

「Flight or Fight状態」は永遠に続くわけではありません。リスクがコントロールできるようになると自然と解消します。

それには個人差があります。

コロナ禍や自然災害やテクノロジーの進化など未知の状態が押し寄せる時代には、自分が「Flight or Fight状態」では、どのような反応をするのかは、知っておいたほうがいいと思います。

無意識からの行動なので、湧き出る感情を急に止めることはできないと思います。

ではどうしたらいいのでしょうか?

人は意識的に行動をコントロールしたり、方向性を修正することは可能です。

ステップ バイ ステップで、少しずつ進めていく。

原理、原則に立ち返る。

などが道しるべになります。

ドキドキ、ワクワク状態で自分はどのように反応するかを試したい人はこちらをクリックしてください。







投稿者名 上野陸 投稿日時 2021年05月09日 | Permalink

方向性は決めても結果には執着しない

みなさん、こんにちは!
富士山のふもと、静岡県富士宮市朝霧高原でパラグライダーと防災のサニーサイドアウトドアスクールを営んでいる上野 陸(あつし)です。

昨日は「早く行きたいのなら一人で行きなさい 。遠くへ行きたいのなら皆と行きなさい。」先の見えない時代に共創することがポイントになると書きました。

それではだれと共創するのかというと、方向性が合っている人、もしくは方向性が共有できる人というのが条件になるかと思います。

例えると渡り鳥がゴールである営巣地を目指すようなものです。
しかし天候が悪化しそうだからここで嵐をやり過ごすとか、ルートを迂回するようなものです。

VUCA(不確実、不安定、複雑、曖昧)の時代には、計画やゴールが設定されていても、当初のゴールには執着しなくてもいいのではないかと感じています。

コロナ禍では、前提条件がどんどん変わり、それによってゴールポストが移動する事態が起こっています。
当初は夏くらいには収まるのではないかと言われたものが、年内、次の夏、翌年末…と次々と延びています。

ゴールに執着してしまうとゴールが延びた場合に心が折れてしまいます。
紆余曲折があるにしても方向性はイメージしておかないと判断がつきません。

先の見えない時代とは、方向性といくつかの視点、観察が必要なのだろうと思います。

悪いことばかりではないと思います。
進んでいくうちに新しくゴールが見えてくる、そんなことなのかもしれません。


投稿者名 上野陸 投稿日時 2021年04月09日 | Permalink

早く行きたいのなら一人で行きなさい 。遠くへ行きたいのなら皆と行きなさい。

こんにちは!
サニーサイドアウトドアスクールの上野です。

先週の土曜日にパラグライダーの大会で新記録が生まれました。
競技は、茨城県筑波山の少し北の山から飛び立ち、栃木県を越えて、福島県と宮城県の境目の国見まで179kmをフライトします。
エンジンはついていないので、上昇気流を捉えて先に進むということを繰り返します。
降りてしまったら終了になります。

179kmを飛び切ることもすごいですが、ゴールした後で距離狙いで飛行を続け、宮城県に入り203kmを飛び記録を達成した選手がいました。
おめでとうございます。

このすばらしいフライトは一人の力で達成された訳ではないと思います。

見えない風を捉えるには、一人では上昇気流を探す確率が下がってしまいます。まずは競技でありながら渡り鳥のようにチームフライトをする必要があります。

機材の進化とそれを乗りこなす技術が必要です。

パラグライダーは天候に左右されます。
記録級の条件が揃うことは滅多にありません。
そのチャンスにその場にいるように準備しておく必要もあります。

これからは人との関係の中で共創が生まれていくのだと感じました。

そしてこの言葉が浮かびました。

「早く行きたいのなら一人で行きなさい
遠くへ行きたいのなら皆と行きなさい」


投稿者名 上野陸 投稿日時 2021年04月08日 | Permalink