地震の起きる確率 30年以内に70~80%って?


南海トラフ沿いの大規模地震(M8からM9クラス)は、「平常時」においても今後30年以内に発生する確率が70から80%であり、昭和東南海地震・昭和南海地震の発生から既に70年以上が経過していることから切迫性の高い状態です。
(気象庁 防災情報 平成31年02月07日 気象庁地震火山部 南海トラフ地震に関連する情報(定例)
https://www.data.jma.go.jp/svd/eew/data/nteq/index.html

特に宮城県沖では、M7級の宮城県沖地震が大震災と同時に起きたことで新たな発生サイクルに入ったと判断。付近で起きた地震も合わせると、ほぼ13~15年おきに同規模の地震が発生しているとして、M7級の30年以内の発生確率は90%に達すると判断した。
2019.2.26 19:55 産経ニュース 
https://www.sankei.com/affairs/news/190226/afr1902260047-n1.html

地震のニュースに、政府の地震調査委員会から「今後30年以内に発生する確率」があります。
「南海トラフ大地震は、今後30年以内に70〜80%の確率で発生する」などです。
30年という長時間と70〜80%という確率の高さにどうも違和感を感じました。
その根拠がよく分からないのです。

確率で私たちがよく目にするのは降水確率です。
パラグライダーという気象条件に大きく左右されるスポーツをしているので、30年間ほど毎日チェックしています。
これはデータの蓄積があり地域や時間など精度が上がっていくのは理解できます。

しかし数十年から1000年単位の巨大地震での確率の精度はどうなのでしょう。
東海、東南海、南海の南海トラフ巨大地震の警戒を呼びかけることはありましたが、の宮城県沖で発生したマグニチュード9.0の東日本大震災は予想されませんでした。
その後に発生した熊本地震、北海道胆振東部地震の地震予知もありませんでした。

地球はプレートという固い地殻で覆われていて、そのプレートは爪の伸びるスピードで(年間数センチ)移動しています。日本は海からのプレートが陸のプレートに沈み込むところです。しかもそれが4枚あるという複雑な場所なのです。
海のプレートのほうが重いため海からのプレートが陸のプレートの下に潜り込んでいます。陸のプレートのひずみが発生し、そのひずみが戻る時に地震が発生する地震多発地帯なのです。


地震発生のしくみ 気象庁より


しかし、地震予知について確かな前兆現象は未だに確立されていません。
日本という国はいつ地震が発生してもおかしくなく、地震の予知はできないということです。

特定の地域での30年という長さ、数字での高確立はその場所では警告ですが、その他の地域では「対象地域ではないので安全では」という誤解を招いています。

私自身は茨城県で東日本大震災にあった時の教訓で、食料のローリングストック、車の燃料は半分上にしておくなどの備えを習慣化していました。そしてそれが昨年の北海道の地震の時に役に立ちました。
今時電気がないと何もできません。地震発生から数日はインフラや物流、公助は期待できません。
公的な機関での備えも限りがあります。
あとは自分で備えるしかありません。

日本に住んでいる上は自然災害のリスクがついて回ります。
リスクは考えないようにするのか、備えるか?
もう少しで3月11日はやってきます。


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日本人は知らない「地震予知」の正体 ロバート・ゲラー著 双葉社
「地震予知」にだまされるな! -地震発生確率の怪- 小林 道正/著  東京 明石書店
地震発生のしくみ 気象庁 https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html

投稿者名 上野陸 投稿日時 2019年03月03日 | Permalink