それでもパラグライダーを勧める理由


パラグライダーの印象は?というと

楽しそう♪
そして、落ちる(汗)

そういう反応が多いです。

確かにこのブログでもリスクに対して書くことが多いです。(苦笑)
その通りリスクがあります。自然の中ですから。

パラグライダーのパイロットは、一かバチかの度胸がないとフライトできないのか?
というとそうではありません。

長く続けている人でもパイロットはフツーのが多いです。

元気な人は多いですね。
元気がある人が始めるのか?
フライトしていると元気になるのか?

両方だと思いますが。

空という自然がフィールドです。
人は鳥のように空を飛ぶDNAはありません。
好奇心を持ち、挑戦するというDNAは持っています。

飛べない人がパラグライダーという道具を使ってフライトするには、自然の制約の中で安全にフライトするという行動を取らねばなりません。

パラグライダーは自然の中での知的なスポーツなのです。
それにはあらゆる感覚を動員して風の変化を感じる感性が必要です。
知識、感性が備わって初めてフライトが成立するのです。

このスポーツが今後必要だと思うのは、

新しい状況に対して、どのように判断して行動していくのか?

今後テクノロジーの急速な発達により、社会は大きく変わっていくと予想されています。
スマートフォンなんてぼくの子供のころにはなかったですからね。

パラグライダーは目にみえない風の変化にどのように対応していくのかということをフライト毎にしています。

意思決定のいいトレーニングです。
ミスがあるかもしれません。
失敗を最小限に食い止めフライトをどう成立させるか?
判断の連続です。

いくらテクノロジーが進化しても、自然をコントロールすることはできません。

資源に限りがある。
自然は震災のような大きなエネルギーが発生する。

コントロールすることができるのは自分の行動です。

その自然を肌で感じ、経験にすること。

自然の豊かさを感じることが大切なんだとろうと思います。

パラグライダーを始めてみませんか


投稿者名 上野陸 投稿日時 2016年05月17日 | Permalink

風の流れを把握する GPSの対地速度を活用

行きはよいよい、帰りは…


フライト中に風の流れを知ることは、「目標への到達する」「上昇気流を予測する」「乱気流を避ける」ために必要です。

特に風が弱い日は局地的に風が変わる場合があります。

通常、視差(視点で二点定点をとり、その差で気流を判断する)で判断していますが、GPSの対地速度は有効な情報です。

総合的に判断してください。

そして何が起こっているのかを想像します。



をフライト中は計器類を長い時間凝視してはいけません。

それよりも、他機の警戒、鳥、雲など観察しなければならないことがたくさんあります。

周りの状況、計器情報とポイントを順番に繰り返しチェックします。

先日、山際から離れると全く反対の風が吹いていることがありました。
途中でサーマルに当たったので高度を獲得できたのですが、あやうくショートしてしまうところでした。(汗)

風という相対的な気流の中でフライトしている私たちは風の流れに気を配らなければなりません。

GPSバリオのページはこちら


投稿者名 上野陸 投稿日時 2016年05月16日 | Permalink

おすすめ図書!【ソアリング エンジン】


現役グライダーインストラクターによるソアリングの本です。

名前がいいです。【ソアリング エンジン】

動力を持たないグライダーが滞空するためには、上昇気流が必要です。

ソアリングとは、上昇風で滞空、上昇することです。

まさにエンジン。

風のエネルギーを使いフライトするのがこのスポーツの醍醐味です。

見えない風をどう捉える?

細かくリアルな事象を分けて解説しています。

現役インストラクターらしく、おちいりやすい失敗やリスクについて言及されています。

イラストがわかりやすく、イメージしやすい。

こういうのは、言語化、形にするのが大変なんですよね。

日本語訳は、滝川(北海道的には近所)のグライダーインストラクターの日口 祐二さんです。

この方も現役インストラクターなので分かりやすい訳に仕上がっています。

目次
リッジ
サーマルソアリング
平地でのソアリング
山でのソアリング

パラグライダーやハンググライダーパイロットにもおすすめです。

リッジソアリングについても丁寧に書かれています。

【風を読む】【見張りをしろ】【逃げ道を持つ】【雲のパターンを読む】など金言がたくさん書かれています。

電子書籍kindle版での発刊です。

スマートフォンで空いた時間に読んでください。



投稿者名 上野陸 投稿日時 2016年05月16日 | Permalink

降下手段と空域のコントロール


静穏な大気中でパラグライダーは、毎秒1m/s前後(グライダーによって違う)で降下しながら滑空しています。

この自然降下率よりも高い上昇気流帯の中では、上昇し高度を獲得することができます。

高度が上がり過ぎて雲の中に入ってしまうことは、安全上避けなければなりません。(雲の中ではどちらに飛んでいるのかわかりません。パラは有視界飛行のみです。)

そんな時には、ビッグイヤー、Bストール、スパイラルなどの降下手段を用います。

これらの降下手段は普段から練習しておき、緊急の場合は使用できるようにしておかなければなりません。



昨今の高性能機、2ライナーグライダーは、ビッグイヤーの代わりにB3降下を推奨したり(マニュアル、販売店さん、メーカーさんに確認してみてください。)、スパイラルの調整が難しかったりする場合があります。
練習ではうまくいっても、リアルシチュエーションでは揺れが加わり難しいかもしれません。

緊急の場合は別ですがおすすめの方法があります。
NIVIUKのマニュアルに書いてあるのですが、
【スローな降下テクニック】
下降気流帯を探して、サーマルでセンタリングするように、下降気流帯で旋回します。
これは体にも機体にもやさしい!

当たり前じゃんと思うかもしれませんが、
急激な降下手段を行わななければならないような状況を避けるフライトプランが必要です。
上昇気流帯、雲底までの高さ、下降気流帯の空域のコントロールです。
強い上昇気流帯では、降下手段も効かない場合があるからです。

普段上がらないのに「今日は調子いいな。」って時は気をつけてください。
逃げ遅れたのはあなただけかもしれませんよ。

それではハッピーランディングで!

パラグライダーのことならエアハート

北海道のサニーサイドパラグライダースクール


投稿者名 上野陸 投稿日時 2016年05月15日 | Permalink

人は同じように認識しているわけではない 認知特性


パラグライダーで、ランディングアプローチやソアリング(熱上昇気流での滞空)など、空間や時間軸など日常的ではない状況を説明する時に、なかなか伝わらない場合があります。

人それぞれ認知が違うというのは感じてはいたのですが、こんなにもパターンが違うとは思いませんでした。

神経心理学で使われる用語で【認知特性】といいます。

認知特性とは、生まれながらに備わっている「考え」や「思考」の方向性のことです。

視覚優位者、言語優位者、聴覚優位者、という3つのタイプに分かれます。

視覚優位者
写真や映像、空間で考えるタイプ

言語優位者
文字や文章を映像化や図式化してから思考するタイプ

聴覚優位者
文字や文章を耳から入れる音として情報処理するタイプ

人は視覚情報から80%以上を得ると言われていますが、同じものを見ていても写真のように認知する人(視覚優位者)、言語に置き換えて認知する人(言語優位者、聴覚優位者)がいるということです。

私は視覚優位タイプです。

写真のように場面が切りられて記憶に残ります。

テイクオフの癖などは、写真の画像のように頭の中に残るのです。

私たちパラグライダーは、空という空間、時間軸という日常的ではないシチュエーションでフライトしています。

フライトの知識を共有する時に、同じイメージで受け取っているとは限らないということです。

一番の問題はコミュニケーションのギャップです。

映像、文字情報、話し言葉と組み合わせないといけませんね。



投稿者名 上野陸 投稿日時 2016年05月15日 | Permalink