想像力 フライトに欠かせない認知能力

パラグライダーで必要な想像力とは「目の前にある情報をもとに、経験や知識を結びつけながら現在起こっていること、未来に起こりうることを頭の中でビジョン化したり、思い描いたりする力。」です。

風は見えないし変化します。

しかし、経験によりパターンを認識し、次に起こることを予想することができます。

取るべき行動や、起こる可能性があるリスクを想像し対処することができます。

近道はありません。
ワンフライト毎の経験を消化し蓄積することです。
抽象化できるようになると、自然と取るべき行動のアイデアが湧いてきます。

文献で知識を得る、
他のパイロットと知識を共有することは有効な手段です。

フライトすることでいろいろなことを学ぶことができます。

それではよいフライトを!

北海道のサニーサイドパラグライダースクール

パラグライダーのことならエアハート

認知特性についてはこちらの本がオススメです。


投稿者名 上野陸 投稿日時 2016年05月28日 | Permalink

空間認識力 フライトに欠かせない認知能力


渡り鳥や回遊魚は季節ごとに何万キロも移動します。
空間認知力が発達しているので目的地に達することができます。

【空間認知力】とは、モノ形や大きさ、位置、方向を把握する能力で、私たちパラグライダーにとっては、三次元的な位置関係、方向、速度を認識する大切な能力です。

一般的には、飛んでくるボールを捕まえる、地図を見ながら目的地に到着する、車の車庫入れをするなどの力です。

初めから、空間認知力が高い人はいません。
(スキー、スノーボード、体操などの経験者に高い能力を持った人がいます。)

パラの体験者は、実際のフライトの高さの数倍のことをいわれます。

ビギナーは地上練習、低高度のフライトから三次元的な位置関係を把握する空間認知力を養う必要があります。

パラグライダーはプラス風の影響を受けるので、空間認知力としては高度なことをしていると思います。

ランディングアプローチには必要な能力です。
ランディングが上手くいかないのは、空間的な位置の把握、アプローチのパターン、風の変化の対応どれかに原因があります。
チェックしてみてください。

話が変わりますが、今後ドローン関連のテクノロジーは急速に発達していくでしょう。

三次元的なものが産業になり、この空間認知力は特殊能力として重宝されるかもしれません。

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投稿者名 上野陸 投稿日時 2016年05月26日 | Permalink

パイロットの三割頭 ワーキングメモリ

【パイロットの三割頭】という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
昔のヒコーキ乗りから言われていることです。

フライト中は、三次元という空間での緊張、ストレスから思考や判断力が三割程度しか働かないと言われています。
「なぜあのような判断をしてしまったのだろうか?」
後になってみると「?」なことはありませんでしたか?

ワーキングメモリ
脳の中の作業台のことです。
ワーキングメモリ(作業記憶)とは、作業や行動するために一時的に覚える記憶のことです。

フライト中は、チェックしなくてはならない情報や判断することが多く、ワーキングメモリがいっぱいになっています。

パソコンでいうと、重たい画像データなどを走らせるとメモリがイッパイになり、動作重っ!

あらかじめ、フライトプランを持ち、必要なルーチーンを決め、異常飛行への対応、トラブルシューティングは習熟しておくことが大切ですね。

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投稿者名 上野陸 投稿日時 2016年05月26日 | Permalink

人は同じように認識しているわけではない 認知特性


パラグライダーで、ランディングアプローチやソアリング(熱上昇気流での滞空)など、空間や時間軸など日常的ではない状況を説明する時に、なかなか伝わらない場合があります。

人それぞれ認知が違うというのは感じてはいたのですが、こんなにもパターンが違うとは思いませんでした。

神経心理学で使われる用語で【認知特性】といいます。

認知特性とは、生まれながらに備わっている「考え」や「思考」の方向性のことです。

視覚優位者、言語優位者、聴覚優位者、という3つのタイプに分かれます。

視覚優位者
写真や映像、空間で考えるタイプ

言語優位者
文字や文章を映像化や図式化してから思考するタイプ

聴覚優位者
文字や文章を耳から入れる音として情報処理するタイプ

人は視覚情報から80%以上を得ると言われていますが、同じものを見ていても写真のように認知する人(視覚優位者)、言語に置き換えて認知する人(言語優位者、聴覚優位者)がいるということです。

私は視覚優位タイプです。

写真のように場面が切りられて記憶に残ります。

テイクオフの癖などは、写真の画像のように頭の中に残るのです。

私たちパラグライダーは、空という空間、時間軸という日常的ではないシチュエーションでフライトしています。

フライトの知識を共有する時に、同じイメージで受け取っているとは限らないということです。

一番の問題はコミュニケーションのギャップです。

映像、文字情報、話し言葉と組み合わせないといけませんね。



投稿者名 上野陸 投稿日時 2016年05月15日 | Permalink