低体温症を知ろう 「トムラウシ山遭難はなぜ起きたか」を読んで


夏の低体温症による大量遭難についてかかれた「トムラウシ山遭難はなぜ起きたか」を読んだので、低体温症についてあらためて考えてみたい。

これは、2009年7月16日に北海道大雪山系のトムラウシ山において、8名の人々が低体温症と見られる死亡事故が発生したものです。夏山シーズンとしては前代未聞の痛ましい遭難死亡事故となりました。

ファーストエイドやリスクマネジメントのセミナーでよく出てくる事故事例です。
低体温症は冬だけではなく一年中発生しています。東日本大震災では、地震後に暖がとれず低体温症で亡くなった方が多くいました。昨年の北海道胆振東部地震で北海道中が停電しブラックアウトしました。これが冬季間であれば、低体温症による犠牲者が相当数出た可能性があります。

まずは低体温症を知っているかいるかどうかがポイントになります。
低体温症が進行すると脳に支障が起きて正常な判断ができなくなります。
こうなると自分でリカバリーすることができなくなります。

この本はシナリオとしてそのときの現場の状況が想像できます。どのタイミングでどういう判断、行動すれば事故が避けられたのかを考えるよい教材です。
低体温症についても、よく書かれており理解が深まります。

あなたならどこでどのように判断し行動しますか?



災害は冬にも起きます。
冬に電気が止まったらどうしますか?

サニーサイドアウトドアスクールでは、
防災、災害のための教育プログラムを行っています。
こちらをクリックしてください。


投稿者名 上野陸 投稿日時 2019年02月16日 | Permalink

サニーサイドアウトドアスクール スタート!


本日2月9日よりサニーサイドアウトドアスクールとして新たにスタートします。
事業の柱は、今まで通りのパラグライダースクールとパラグライダーやアウトドアスポーツで培ったリスク管理の知識や道具を活かした災害時のための教育、体験プログラムです。

なぜ災害時のためのプログラムを始めることになったかというと、2011年に茨城県で東日本大震災に、昨年の北海道胆振東部地震に災害に遭いました。
その時に多くの人が災害に対する備えや行動が適切にできていないと感じたからです。私は25年パラグライダー、ハンググライダーのスクールや機材販売の仕事に携わってきました。スカイスポーツという比較的リスクの高いスポーツをマネジメントすることで、リスク管理や対応が鍛えられました。

今の日本は、地震や異常気象など災害が多発している時期にあります。
今後30年以内に80%の確率で発生すると言われている南海トラフの巨大地震の前に、今持っている知識や考えを、災害時に一人でも多くの人が犠牲にならないように広め社会に還元しようと思ったからです。

また現代は変化が早く大きい時代です。正解がない時代とも言われています。その時の状況に応じて行動を変えていかなくてはならないのは、刻々と状況が変わる災害時と同じです。
強いものや賢いものが生き残るのではなく、変化に対応できたものが生き残るのはいつの時代も同じです。
提供する72時間サバイバル協会のプログラムは、これからの未来を背負うこどもが学べるようにプログラムが組まれています。自らが生き残るための自助、お互いに助け合う共助のサバイバルマインドを育むことによって、災害時に生き残り、さまざまな社会課題を解決する一助になれば幸いです。

サニーサイドアウトドアスクール
上野 陸


投稿者名 上野陸 投稿日時 2019年02月09日 | Permalink

自分の住んでいるところのリスクを知ろう-ハザードマップ

こんにちは、
サニーサイドアウトドアスクール校長の上野です。
災害といっても様々なものがあります。
地域によってかかえている災害の種類、リスクが違います。

地震も活断層の近くでは「内陸直下型地震」、低い土地では「海溝型地震」での津波を警戒しなくてはなりません。
大型化する台風や長時間の集中豪雨などにより、河川の氾濫、下流では洪水、山や崖の近くでは、崖崩れ、土砂災害に注意しなくてはなりません。
埋立地は地震時は、液状化現象、土砂災害に注意が必要です。

自分の住んでいる場所にどんなリスクがあるのかハザードマップ(被害予測地図)に記されています。
また職場や学校、よく行くところ、そこを結ぶ交通ルートなどもチェックしておきたいです。

国土交通省ハザードマップポータルサイト
~身のまわりの災害リスクを調べる~




投稿者名 上野陸 投稿日時 2018年12月18日 | Permalink

なぜサバイバルキャンプ?


なぜサバイバルキャンプを始めたか?
2011年の東日本大震災を茨城県で経験し、「まさか」と思いましたが、今年の9月に北海道胆振東部地震で二回目のブラックアウトを経験し、もうこれは「まさか」ではないなと感じました。
今の日本は、地震の地学的なリスクと、台風や集中豪雨などの気象学的リスクを抱えています。
2018年度はまさに災害がいつどこで起こるか分からないというほど多くの災害が起こった年でした。

私はハングググライダーから始まりパラグライダーとスカイスポーツを25年以上してきました。高校生の頃から登山をしていたので野営歴は35年になります。
アウトドアに長く関わってきた者として、災害の多い時代に社会に対してアウトドアで培った知識や考え方を還元したいと思ったからです。

実際に災害時には、野営の道具や知識、パラグライダーで磨いたリスク管理、気象の知識は役に立ちました。

私も、災害の備えや訓練は特にはしていません。
好きなアウトドアの道具や予備の食料や燃料や考えが役にたったのです。

人はいつ来るかもしれない災害に備えるのは苦手です。
しかし日本にいる以上、災害のリスクは免れません。

ではどうしたらよいのでしょうか?
キャンプを楽しむ、アウトドアスポーツを楽しむというのが結果的に、災害の備えになり、学習効果の高い訓練になると考えています。

静岡件の朝霧にある天子の森キャンプ場で、初心者向けに実践サバイバルキャンプを開催します。
ぜひ一人でも多くの人が野営やアウトドアの技術や考えを持つことによって、災害に強い体質ができると思っています。
ぜひご参加お待ちしています。

【災害に役立つ】実践サバイバルキャンプ


投稿者名 上野陸 投稿日時 2018年12月11日 | Permalink

WMA Dr.デヴィッド・ジョンソン氏の講演を聞いて


10/28にWMA(Wilderness Medical Associates )の総代表であるDr.デヴィッド・ジョンソン氏の講演を聞いてきました。
俱知安観光協会がこれから入る冬シーズンに向けてニセコで開催されました。ガイドやアウトドア関係者が多数参加していました。外国人の方もいました。

野外や災害など医療機関までの搬送に時間がかかる状況ををウィルダネス状況下と定義しています。ウィルダネス状況下でのファーストエイド(野外災害救急法)のことです。
直前に北海道アウトドアフォーラムで、WMAジャパンの寺田氏のワークショップを受け、総代表であるDr.デヴィッド・ジョンソン氏がニセコに来るということで参加いたしました。

Dr.デヴィッド・ジョンソン氏は、現場経験がかもしだす力強く自信のある声が印象的でした。
講演内容は、WMAの組織やウィルダネス状況下でのファーストエイド(救急法)の概要の説明でした。1,2時間で技術な内容までできるものではありませんので。

質疑応答の時間が設けられました。
過去に私が体験したファーストエイドの検証と改善点が見つかりました。

医療に従事しているわけではありませんので、実際に事故に遭遇することは滅多にありません。しかしゼロではありません。異常時に適切な行動がとれるかどうかが問題なわけです。現場で頭が回るようにこういった講演やセミナーなどの機会があれば参加するようにしています。

災害が起こりやすいサイクルに入っています。
なにも危ない野外なんていかなくてもいいじゃないかと思うかもしれませんが、災害時になれば嫌が応でもウィルダネス状況下に置かれます。

まずは自分の身の安全を守るための自助です。それができて他の人の共助ができます。

Dr.デヴィッド・ジョンソン氏の話で、「考え続けろ」と「選択肢は他にもあることが多い」というのが強く印象に残っています。
ありがとうございました。

WMAジャパンのホームページはこちら

【災害に役立つ】実践キャンプはこちらから


投稿者名 上野陸 投稿日時 2018年10月31日 | Permalink