アウトドアに学ぶ 災害の対応
防災減災教育事業を始めるきっかけになったのは、東日本大震災、北海道胆振東部地震で、他の人がうまく対応できていないと感じたからです。
私も昔から急な変化に対応ができていたかというとそうではありませんでした。
子どものころは、インドア派で器用なほうではありませんでした。
では、なぜそういうものが身についたかというと長年のアウトドア活動からです。
自然の中では変化が起こります。
その中での振る舞いが、スキルとして定着したからです。
パラグライダーでのフライトを例にします。
テイクオフ時間、フライトコース、ランディング時間を、その日の気象条件に合わせてフライトプランを決めます。
しかしパラグライダーは、動力なしで、風に弱い乗り物です。
上昇気流、風の強さ向きに影響を受けます。
フライトプラン通りに行くとは限りません。
また、フライト中にインスピレーションが湧き起ることもあります。
上昇気流がありそうな雲をルート以外で発見したなどです。
自然の中ならではの醍醐味です。
試してみたい。
しかしそのため過度なリスクが生じたり、窮地に追い込まれるのは好ましくありません。
常に可能性とリスクの狭間にあります。
そのためのリスクマネジメントだと考えています。
フライト中は、風の変化、機体の制御など、優雅に飛んでいるというよりはけっこう忙しいのです。
昔から言われているのは、「パイロットの三割頭」です。
飛行中のパイロットは地上での三割しか頭が働かないからです。
もしフライトプランを変更する場合に自分に質問をします。
むずかしい質問はしません。
まちがう可能性もあります。
質問は次の3つです。
「なぜそう思ったか?その根拠は」
「メリットは?、デメリットは?」
「Bプランは?」(Bプランというの代替案のことです。現プランが失敗した場合のエスケーププランです。)
明確な答えがない場合もあります。
そういったときには、少し試し、質問を繰り返します。
質問の内容はこれに落ち着きました。
自然環境の変化での意思決定という意味では、災害であっても同じです。
参考にしてみてください!