「アクセルとブレーキ踏み間違い事故」はなぜなくならない
サニーサイドアウトドアスクール 校長の上野です。
アクセルとブレーキの踏み間違い事故がなくなりません。
事故を起こすと悲惨になることが分かっていてもなくならないということは、構造上だれにでも起こると考えたほうが妥当です。
自分が加害者にならないようにするためには、事故のメカニズムを知ることと自分事として対策をすることが現実的です。
「一昔前に流行ったMT車の場合、アクセルとブレーキの他にクラッチとの連携操作が必要だったので、そのことが事故防止に貢献し、踏み間違いによる事故は問題になるほど発生していませんでした」
AT車暴走事故防止の決定打「ナルセペダル」が普及しない理由 | DOL特別レポート | ダイヤモンド・オンライン
特に渋滞時にオートマ車は便利です。
便利なものが普及するのはしかたがないことです。
私は、まれに仕事でマニュアル車を運転することはありますが、大半はオートマ車です。
「人間は驚いた時に逃げるための準備反射、すなわち“踏ん張る”動作が発生するので、ペダルに足が乗っていれば、それを踏み込む状況が発生します。ブレーキペダルに比べてアクセルペダルを踏む回数ははるかに多く、同じ動作を繰り返すに従って、アクセル操作の方がより反射的に素早くできるようになってしまいます。このメカニズムによって、事故に遭いそうな場面で、ブレーキでなくアクセルを踏んでしまう場合があるのです。これが、ペダルの踏み間違いの発生メカニズムの1つといえます」(松永氏)
AT車暴走事故防止の決定打「ナルセペダル」が普及しない理由 | DOL特別レポート | ダイヤモンド・オンライン
アクセルとブレーキのペダルは隣にあり、踏むという行動も同じです。間違いやすい構造といえます。
「突然の加速」に起因する事件を調査してきたのだ。
低速で走行中の、あるいは完全に停車中の車が、急にスロットル全開で走り出す事故は、早くも1930年代に報告されているが、オートマチックトランスミッションの採用とともに明らかに急増した。
複数の運転者とその弁護士は、スロットルが自然に開いて車が暴走し、止めようとしてもブレーキが効かなかったと、強く主張したが、1989年のNHTSAの最終報告書、いわいる「シルバーブック」によれば、ブレーキとスロットルが同時に故障し、後でまたさっと正常な状態に戻って、しかも全く証拠を残さないと言うような事は、過去の機械的欠陥の事例からは説明がつかない、とされた。急加速のほぼ全ての事例はひとえに人為的ミスによって引き起こされた、とNHTSAは結論を下している。運転手はブレーキのつもりでアクセルを踏んだん違いない、というのだ。
「最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか」ジェームズ・R・チャイルズ
《ロードアンドトラック》誌によれば、1984年以降に製造されたアウディ5000は、アイドリング時にちょっとした問題があり、エンジンの回転数が不意に上がるーそれほど高出力になるわけではないがーことがあった。複雑に入り組んだ人為ミスのパターンを研究している人たちによれば、急加速する事例がこの形式の車に多く見られるのは、エンジンの回転数が不意に上がるせいだと言う。回転数の上がったことに驚いた運転手が、ブレーキを踏み込もうとして踏み損なうからだと。
腿と足は、腕と手に比べれば力は強いのだが、足は手よりも運動能力が劣り、強い恐怖を感じるような状況ではことにその傾向が強い。
「最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか」ジェームズ・R・チャイルズ
ペダルを踏み間違う確率は、運転者が高齢になるほど増加するし、また、縦列駐車の場合のように運転者が体をひねってこうを見ながらバックするときにも増加する。もし急加速が起こったら、いかなる場合にも運転者はギアをニュートラルに入れ、イグニッションキーを切るべきだ。
「最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか」ジェームズ・R・チャイルズ
どうでしょうか?
アクセルとブレーキの構造、人の生理的な行動から「アクセルとブレーキを踏み間違える」というメカニズムがある以上は、誰にでも起こる可能性があります。
自分が加害者にならないためにも、
「もし車が暴走したとき」あなたならどうしますか?
『もしものとき、自分の命を守る』『もしものとき、行動ができる』ためのこども災害サバイバル教室「72時間サバイバル」の情報はこちら!