ASPEN6 (GRADIENT EN-C)インプレッション



クロスカントリーをしたいパイロット向けのGRADIENTのEN-CシリーズASPEN6がリリースされました。
アスペクト比(実測)が6.46と前ASPEN5 6.25から順調に成長しています。
2007年発売のAVAX XC2が6.38でしたので、10年ひと昔でシリーズが一つ変わりました。

最新のマテリアルで開発されたASPEN6はどんな飛びをするのでしょうか?


24サイズ(70-90kg)の82kgで真ん中くらいでフライトしました。
グライダー重量は4.5kgとノーマルタイプですが、5kgを切っています。

アスペクト比は4.46と高めですが、軽量性、前縁のきれいなシェープもあり、ライズアップは軽いです。
ちなみに私はAメインラインの真ん中のラインを持ってライズアップしました。
中央1/3に風を当てるつもりでライズアップすると左右に取られにくいです。
翼型はシェープががクリーンで内部構造もしっかりしているのでインフレーションは早いです。
最初のインパクトはしっかりとします。大切なのはその後の荷重の逃しです。うまくコンビネーションをしてあげるときれいにライズアップできます。
パワーはコントロールしてあげればいいのです。



GRADIENTの前縁は、さっぱりとしたクリーンなタイプです。
いろいろな理屈はあると思いますが、風の変化に対してナチュラルな感じがします。
気流の変化に対して、グライダーが強く反応するのが好みではないパイロットにはおすすめです。

前ASPEN5よりもアスペクト比で、0.2ポイント上がり、重量で300g軽くなっていますが、翼の剛性感は変わらない感じがします。内部構造、翼型が機能しているのでしょう。

ハンドリングは、アスペクト比が高い割には、レスポンス、ストロークともにストレスを感じさせない仕上がりになっています。
スピードレンジは最新のものらしく変化があります。
どのポジションでフライトするのかは明確にしておきたいです。

ハイスペックなので高度のコントロールには気をつけてもらいたいです。
特に吸い上げには注意です。
降下手段は、何がいくつまで使えるのか把握してしておきましょう。



ASPEN6を特徴つけているのは、このウイングチップです。
鳥の羽のように先端が跳ね上がっていてしっかりとリッジフォイルが入っています。
シャキーンとしてかっこいいです。
テイクオフの時にラインを絡ませなように注意してください。


ASPEN6は、クロスカントリーをしたいパイロット向けのハイスペックグライダーです。
山だけではなく、平野にも挑戦したくなるグライダーです。
もう一歩遠くへフライトしてみませんか。

ASPEN6
¥500,000 (税別)
スペックはこちら
※22サイズ(65-85kg)は、ライトバージョンがリリースされる予定です。




投稿者名 上野陸 投稿日時 2017年07月19日 | Permalink

HOOK4 P(NIVIUK EN-Bスタンダード軽量) インプレッション


EN-Bスタンダードクラス HOOK4の軽量バージョン HOOK4 Pでフライトしてみました。
HOOK4は、EN-Aクラスからの乗り換え、リラックスソアリングをしたいパイロットに人気のモデルです。
これの軽量バージョンの登場です。

HOOK4 23 4.7kgに対してHOOK4 P 23は、3.25kgと1.45kgとペットボトル約1.5L分軽いのです。
そしてコンパクト。HOOK4も十分コンパクトなんですけどね。

もっとも軽量感を感じるのはライズアップです。
楽ちんです。笑っちゃいます。
ライズアップが苦手な人はこれおすすめです。



安定のHOOKシリーズハンドリングは、Bクラススタンダードレベルでハンドリングと安定感のバランスがいいです。
この日は低いところのサーマルは小さく、クイックなターンが必要なコンディションでした。
軽量性のためハンドリングのレスポンスを早くすることができ、低いところを凌ぐことができました。
楽しい!



ビッグイヤーは、A'ライザーがあります。通常の手順で行えます。
特に難しいところはありません。



気流の変化を伝えるフィードバックはHOOK4よりも敏感な感じがします。
なにせ軽いですから。
何度かあげ直しているうちに、サーマルトップも上がって来て、トップアウトすることができました。



1.45kg軽くなったマテリアルの話をしましょう。
セールはポルシェスポーツ社の27g/m2軽量生地です。
セールメーカーは、ノーマルの生地も軽量生地も保証期間は同じです。
ツリーラン、こすったとかの物理的なダメージには弱いと思いますが。
一時の軽量グライダーは耐久性が極端に劣るという時から進化しています。



ライザーはダイニーマ製のフル軽量ライザーです。
ラピッドリングも金属ではなくダイニーマ製です。
1.45kg軽くするためにはそうなりますよね。



前縁には形状記憶合金ニチノールが入っています。
翼の剛性と軽量を両立させてます。


X-ALPSのように、ハイク&フライには実用的だと思います。
軽さ、コンパクト、高い安定性、ある程度のパフォーマンス。
暑い夏の日に、重装備ではなく、軽量グライダーでパラグライダー本来の機動性を活かし、お気軽にファンフライトもいいです。
軽さは性能だと感じました。

HOOK4P ¥520,000(税別)
http://www.airheart.jp/product/niviuk/hook4/index.shtml

試乗機あります。
HOOK4 P 23 65-85kg
HOOK4 P 25 80-100kg



投稿者名 上野陸 投稿日時 2017年07月15日 | Permalink

IKUMA P 本気の軽量グライダー


このIKUMA-P(イクマ ピー)は、本気の軽量グライダーです。
軽量の中の軽量です。

自分がハイク&フライ(自分の足でテイクオフまで登りフライトすること。パラグライダーのザッグ一つにフライト機材が収まり運搬できるという軽量、コンパクトな性質を使ったフライトスタイル)をしようとするならば、

○山の中をフライトすることを考えるとラフなコンディション、狭いランディングやトップランディングを想定すると安定性があり、小回りが効くあまり高いアスペクト比でないほうがいい。

○ある程度のパフォーマンスは欲しい。

そんなことを考えるとIKUMA Pは、現実的にハイク&フライにドンピシャな選択肢になります。
パフォーマンスと安定性のバランスがちょうどいいのです。



ライズアップは、軽くフワっと上がります。
ノーマルのIKUMAから1.3kg軽くなってますからね。なんと27%減!
脅威の3.5kgです。
ライズアップは別物です。
軽量のため慣性力が弱まるので、頭を勢いよく通り越すシュートの傾向が減ります。
左右のとられも直しやすいです。
ライズアップはイージーってことです。

春のソアリングコンディションにあたりました。小さく強いサーマルです。
軽量な分、風への反応はいいです。
カサカサっと翼が風に細かく反応しますが次第になれます。

軽量ですが翼の構造はしっかりと剛性感が感じられます。
ブレークのテンションはIKUMAらしいわかりやすいテンションです。
軽量グライダーの早いレスポンスでコントロール性はいいです。

低い高度は小さく強いサーマルです。サーマルのコアに乗るために深いバンク角で旋回をします。ハンドリングの手応え、レスポンスはいいです。
サーマルが安定するまで高度を上昇させることができました。
あとは効率よく上昇させるため比較的浅いバンク角で旋回します。

IKUMA Pの軽量性は、EN-Bという安定性があるクラスですが、ハンドリングはいいですね。



27%の軽量化のためには、
ライザーはテープではなくダイニーマ製のロープ、ラインをライザーに繋げているのも金属のラピッドリングではなくダイニーマ製のリングです。
頼りない感じを受けるのですが、強度的には金属よりも高いのです。
あとはセットアップ時にライザーのねじれには要注意です。

気になる耐久性ですが、セールメーカーの努力により、セールの保証期間はノーマルセールも軽量セールも同じ期間です。
ただツリーランした、引っかけたなどの物理的なダメージには弱いです。

EN-Bプラスというクラスは、パフォーマンス性と安定性のバランスがよいオールマイティな特性です。
これはハイク&フライという軽量性が求められ、不確実な状況に頼りになるグライダーです。
軽量の取り回しの良さ、ライズアップ特性、ハンドリングは、普段のフライトでもメリットがありおすすめです。

試乗機あります。
スクールさんにリクエストしてください。
IKUMA P 23サイズ(フライト重量 65-85kg)
IKUMA P 25サイズ(フライト重量 80-100kg)

IKUMA Pのスペックはこちら




投稿者名 上野陸 投稿日時 2017年06月11日 | Permalink

NEVADA2とNEVADA2 LIGHT 飛びの違いは?


GRADIENTのEN-BプラスグライダーNEVADA2がリリースして間もなく、軽量版NEVADA2 LIGHTがリリースされました。

これだけ短いタイミングで軽量グライダーがリリースするということは、世界的には軽量にニーズがあるのでしょうね。

NEVADA2-24サイズの重量は4.7kgに対して、NEVADA2 LIGHT24サイズは3.8KGと900gの差があります。約20%の軽量化です。

セール、ラインのマテリアルも変更になっているので、同じグライダーシリーズとはいえフライトのインプレッションも変わります。

ライズアップ特性は、900g軽いNEVADA2 LIGHTの方がいいです。
かといってNEVADA2も軽い部類ですのでご心配なく。

風の変化を伝えてくれるフィードバックは、NEVADA2 LIGHTの方が敏感です。人によっては動き過ぎると感じるかもしれません。
これは好みが分かれるところだと思います。

ハンドリングですが、両者を比べるとNEVADA2 LIGHTは柔らかく、NEVADA2は硬い感じがします。重量の違いばかりではなく、セールのマテリアルの違いも影響しているのかもしれません。

余談ですが、NEVADA2 LIGHTで飛ぶと2006年リリースのASPEN2(EN-C)を思い出しました。ハンドリングの良さが特徴的な名機でした。アスペクト比がASPEN2 5.69 NAVADA2が5.75と10年経つと認証が一段階変わりました。

軽量生地は進化して耐久性が大幅に伸びています。

自分のフライトスタイルに合わせて選択してください。

NAVADA2のページはこちら

NEVADA2 LIGHTのページはこちら





投稿者名 上野陸 投稿日時 2017年04月04日 | Permalink

NEVADA2 LIGHTインプレッション


GRADIENT社のEN-Bプラスクラス NEVADA2の軽量バージョン NEVADA2 LIGHTが来ました。

24サイズでノーマルが4.7kgに対してライトは3.8kgと900gの軽量化です。

さてどれほどの変化があるのでしょうか?



やはり一番軽さのメリットを感じられるのは、ライズアップです。

弱い風でもふわっとライズアップでき、グライダーがパイロットを越してしまうシュートの傾向は少ないです。

これだけでも軽量バージョンにする価値があります。



一言でいうとハンドリングの感じがすこぶるいいです。
900g軽いとこれだけ違うのかと思うくらい反応がいいです。
EN-Bクラスなのを忘れてしまいます。
風の変化を敏感に伝えてくれます。
GRADIENT社らしいハンドリングです。

2006年発売のEN-Cクラスで人気のあった往年のASPEN2を思い出しました。私も乗っていました。
調べて見るとアスペクト比(実測)は5.69でした。NEVADA2 LIGHTは、5.75なので10年経つと認証も変わるのですね。進化してますね。



ライザーは3ライザーです。
リアライザーコントロールはついています。
移動するためにフルリリース、アクセル使用時の微調整に使用します。
手前に引いてテンションをかけます。



降下手段は、オーソドックスにビッグイヤーです。
Aラインは2本です。
安定してビッグイヤーはできます。
ばたつきもありません。


軽量というのは機動性、運動性を高めてくれます。
パラグライダーも同様です。
耐久性を心配される方もいらっしゃいますが、マテリアルの進化で以前ほどの差はなくなりました。

それ以上に軽量性のメリットの方が多いです。
一言でいうとグライダーの感性が高まった感じがします。

軽量NEVADA2 LIGHTで、風の変化を感じ、コントロールする喜びを味わってみませんか?


投稿者名 上野陸 投稿日時 2017年03月29日 | Permalink