マスクだけが必要なのか?
みなさん、こんにちは!
サニーサイドアウトドアスクールの上野です。
新型コロナウイルスの影響で、マスクがどこも売り切れです。
買い占め、買いだめ行動によるものです。
古くは、1973年のオイルショックのトイレットペーパー騒動がありました。
2011年の東日本大震災では、ペットボトルの水や災害地に近いところでは、ガソリンスタンドに長蛇の列ができていました。
2019年の台風19号では、ガラスの飛散防止のための養上テープが店頭から消えました。
何か起こると買い占め、買いだめ行動は、発生しています。
初期の買い占め買いだめ行動→品薄→品薄や買い占め買いだめの報道→一般の人々の買い占め買いだめ行動→売り切れ在庫切れ、と広がっていきます。
初期の買い占め買いだめ行動をとる人々の動機は、不安です。現代においては、ネットに飛び交う様々な情報もあるでしょう。
YAHOO!ニュース
マスクパニック!:買い占め買いだめを防ぐための心理学:新型ウイルス対策として
碓井真史 より
「今回のような全国的な出来事の場合、条件がそろえば、個人差を超えて多くの人々が同一の行動をとることが考えられる。大阪においては、多くの通勤通学の人・々がマスクをして歩いている姿が報道された。また日本各地でマスクを買い求める人が殺到し、マスクが品切れとなる店舗も続出した。
危険を回避できる方法があるが、すべての人がその方法を入手できるわけではないと人々が思ったとき、パニックは発生しやすい(広瀬,2004)。」
<碓井真史2009「新型インフルエンザ(H1N1)のリスク関連行動に及ぼすプロトタイプ・イメージと不安の影響」>
人々が、買い占め、買いだめ行動により、病院関係など必要な人に届かないといった悪影響が発生します。
こういった異常事態におけるパニック行動を回避し、適切な行動をどうしたらとることができるでしょうか。
一つは、知識、知的ワクチンです。もう一つは、プロトタイプ、お手本になる人や代表的な人へのあり方です。
前回、新型インフルエンザ(H1N1)流行時の筆者の研究によれば、危険を防ぐ行動をとるかどうかに、楽観的か悲観的かの性格などは、あまり影響していませんでした。また、不安が高まれば正しい予防行動がとれるわけでもありませんでした。
<碓井真史2009「新型インフルエンザ(H1N1)のリスク関連行動に及ぼすプロトタイプ・イメージと不安の影響」>
大切なのは、率先して予防行動をとっているプロトタイプ(お手本になる人)や、まったく予防行動をとっていないプロトタイプ(悪い方向での代表)に対して、どんなイメージを持つかです。
予防行動をとっている人に対して、私たちはうっかりすると、臆病、神経質、考えすぎなどと評価してしまいます。また行動していない人に対して、勇気がある、落ち着いていると評価してしまうこともあります。
しかし、このようにイメージしてしまうと、自分も適切な予防行動がとれなくなります。
行動していない人はだめな人で、率先して行動している人こそ知的で立派な人だと評価できる人が、自分も適切な予防行動ができていました。
一人ひとりが、そのように正しく思えるような、そんな社会的雰囲気を作ることが大切だと思います。
YAHOO!ニュース
知的ワクチンを打とう:新型コロナウイルス肺炎の感染予防とリスク・コミュニケーションの心理学
碓井真史 より
物流が発達し効率がよくなり、平常時にはいつでもモノがあふれ、モノをストックしておく必要がないように思えます。
以前は、災害での水や食料の備えは3日といわれていました。
今は、首都直下型地震や南海トラフ地震では、人口密集や広範囲の被害のため、一週間の備えが必要といわれています。
今回のような潜伏期間の長い感染症の場合、一週間では不足かもしれません。
私は北海道で生まれ育ちました。
北海道は冬があり、冬季の停電や大雪は命にかかわる事態になります。
そういう背景があるためか、燃料、食料の備蓄は習慣化されています。
むしろないと不安になります。
いずれにしろ、備えはコトの前にしておかなければなりません。
不安はうまく使いましょう。
それではまた!