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コヨーテ3 P(軽量EN-A)インプレッション


ニビューク社EN-Aシリーズ コヨーテから軽量バージョンのコヨーテ3 Pがリリースされました。
本気度の高い軽量シリーズをリリースしてきたニビューク社。
EN-Aクラスはどんな仕上がりにしてきたのでしょうか。


EN-Aクラスというと、初級機といったイメージを持つかもしれません。
最新のテクノロジーやマテリアルの進化にともない、EN-Aクラスにバリュエーションが増え個性的なグライダーが登場し始めました。
安全基準がもっとも高いEN-Aクラスのフライトの幅が広がることは、リスクを含んでいるこのスポーツにとって歓迎すべきことです。



ニビューク社は、Amazing Adventuresと題して軽量グライダーにまつわる冒険をピックアップし推してきました。
グライダー名の後ろのPは ニビューク社の軽量シリーズを象徴する文字です。
plumeのpで、羽、羽毛といった意味です。


今回のコヨーテ3 Pのは、EN-Aクラスのシンプルな構造の特徴と相まって、軽量性、コンパクト性、ライザアップ特性、安定性が上げられます。
ノーマルのコヨーテ3(24サイズで4.5kg)でも十分に軽いのですが、3.45kgと1.05kgペットボトル二本分軽くなっています。ミニウイングや一枚翼を除けば、最も軽いグライダーです。
この軽量性とコンパクト性は、ハイク&フライの強力なアイテムとなります。


ハイク&フライは、車やゴンドラでテイクオフまで上がっていたものを、フライトのための手段から、周りの景色や自然観察を楽しみながら自分の足で登りアプローチを楽しむものです。
テイクオフに到着したときの充実感や爽快感は何ともいえないものです。自分の飛び道具を自在に持ち運ぶことができるのは、パラグライダーというコンパクトなギアにだけできるものです。



さっそくグライダーを広げてみよう。
セール上面は、ポルシェスポーツ セミ軽量タイプのスカイテック32g/m2。HOOK4P以上のグライダーとはことなった選択をしています。パラグライダーの取り扱いが慣れていない初心者が選ぶ場合でも安心できる材料です。軽量セールを選ばなくても十分に軽いという判断もあってでしょう。
セール下面は、軽量タイプのスカイテック27g/m2です。
ちなみなセールを引きずらないように注意がされています。
ラインは、ボトムラインは被膜つきです。ミドルとトップはむき出しのアラミド製ラインです。




ライザーはちょっと細い12mmのテープが採用されています。
ダイニーマのテープではないので、ライザーの捻れなどは発見しやすいと思います。



強めの風だったので、真ん中1/3だけエアインテークを広げライズアップ。ノーマルのコヨーテ3もライズアップ特性がいいのですが、さらにイージー。
上面がセミ軽量の記事なので、後縁から風が入り煽られることもなかったです。
ライズアップ特性、取り扱いやすさはとてもバランスがいい。初心者にとってはこれメリットです。
リラックスしてテイクオフができます。


ちょっとテイクオフでグランドハンドリングで遊んでからフライト開始!
Aクラスなので、ブレークコードのストロークは長めです。
まずはリッジでお試し。強めのサーマルがきたので旋回します。
春のコンディションです。小さく強いサーマルです。
Aクラスは安定性が強いので、ハイバンクを維持する操作が必要です。
風が強めなので流されないよう注意します。
上げきることができました!



軽量機特有の翼の柔らかさはあまり気になりませんでした。アスペクト比が低いこともあるかと思います。
構造的にしっかりしているイメージでした。
ビッグイヤーは、導入、維持はイージーです。
戻りもスムーズです。
ランディングは風が強めでしたが、吹き抜けをうまく使い高度を調整できました。
Aクラスの安定性は気楽です。



コヨーテ3 Pは、初心者から扱えるグライダーです。
将来的にハイク&フライを考えている、より軽いライズアップや軽量化したい方におすすめです。

EN-Aクラスに軽量機、パフォーマンス機というバリュエーションが広がるのは、本格的にグライダーが成熟期に入ってきたことを意味しています。
テクノロジーのベクトルが安全性に振れてくるのは、いいことだと思います。
(「安全性が上がった分リスクを取る傾向がある」とヒューマンエラーで教わりました。気をつけましょう。)

EN-AクラスからEN-Bクラスというステップアップはわかりやすい成長の目安でありました。

これからこのスポーツが成熟期を迎えるに当たって、人それぞれに合った自分基準、目的を持ち、それぞれに合ったパラグライダー選びがあってもよいのではないでしょうか。

コヨーテ3 Pの詳しい情報はこちら


投稿者名 上野陸 投稿日時 2018年05月25日 | Permalink