合理的な判断をしているとは限らない?

風が強くなり始めたテイクオフで、あるシニアパイロットとの会話
イントラ「風が強くなってきましたね。」
パイロット「残された時間が限られているから、できるだけフライトしたいんだよ。」
イントラ「ここで無理にフライトして風が強まりランディングでケガをしたら、将来フライトできる時間が一気に減るかもしれませんよ。」
パイロット「‥‥‥‥。」

この場合は現在のフライトの機会、時間の損失を回避しようとしています。

しかし風が強くなり失敗すると、もっと多くの将来のフライト機会、時間を損失する可能性があります。
安全性という点で、フライトには合理的ではない状況でした。

【人は得られることより、損失を恐れる。】
人の認知にはバイアス(偏り)がかかり合理的な行動をするとは限らない。
人は心理的に損失を回避する行動をとってしまうというものです。

合理性というのも、優先順位、目的があってのものです。
一番優先順位の高いものは何でしょうか?

フライトは、常に選択と行動の連続です。
自然の風の中で、意思決定のレッスンともいえます。
大切なことはハッピーランディングでしめくくることです。

パラグライダーで学んでみませんか?


投稿者名 上野陸 投稿日時 2016年05月13日 | Permalink

KOYOT3リリース!


NIVIUK EN-Aクラス 【KOYOT3】(コヨーテ)がリリースされました。

EN-Aクラスでビギナー、ファンフライトの方が対象です。

ビギナーが使うこのクラスは、使いやすさ重要です。

【KOYOT3】の注目ポイントは、前縁に形状記憶合金ニチノールが入ったことです。

初心者ほどこのマテリアルのメリットが高いと考えています。
ニチノールの超弾性というバネ効果は、癖がつきにくくパッキングに慣れていないビギナーでも扱いやすいです。

【前縁の形状がしっかりと形造られるので、ライズアップがイージーになります。】
【ナイロンステックよりも細くできるので、結果的に軽量、コンパクトになります。】
【末端処理は三重にしていてセールへのダメージに対応しています。】

一番の懸念材料であるコスト高を最小限度に抑えることができました。

HOOK3,IKUMA,PEAK4とニチノールを使用した試乗機を半年使っていますが特に問題はありません。

機能性の高い素材を使用しビギナーへ扱いやすいグライダーに仕上がっています。

最新のテクノロジーの恩恵を受けたいビギナーの方。

リラックスして空中散歩を楽しみたい方。

KOYOT3のページはこちら!


投稿者名 上野陸 投稿日時 2016年05月13日 | Permalink

フライトしたい欲求と安全への欲求 マズローの欲求段階説


人はなぜリスクあるフライトをするのでしょうか?
恐れ知らずの無法者ばかりが命をかけてフライトしている訳ではありません。
欲求という点から考えてみました。

米の心理学者マズローが欲求5段階説を唱えました。
心理学を越えて、マーケティングなど広く使われています。

マズローの欲求段階説では「欲求は満たされると解消されるものではなく、別の欲求が生まれてくるものであり、それが階層的になっている」

生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求(欠乏、外的な欲求)が満たされると、次の内的で、存在欲求と言われる
自我、尊厳の欲求、自己実現の欲求へと変化していきます。

欲求にはステージがあり、段階的に欲求が変化するものです。

食うに困るような状況では、パラグライダーで空を飛びたいなどとは思わないでしょう。
衣食住が満たされる社会的状況だから言えることなのです。

パラグライダーでフライトすることは、義務でも人に言われたからするものでもありません。
内的な欲求であり、個人的な欲求です。
それぞれの段階でフライトへの欲求は違ってきます。

以前会社の研修でタンデムフライトをしたことがあります。
中間管理職の人が本当は嫌なのに、部下の手前無理をしてフライトして、フライト中に気の毒に泣いていたことがありました。
安全の欲求が満たされていなければ、到底フライトを楽しむことなどできないのです。

フライトについて考えると、この欲求を必要な要素と捉えることもできます。
生理的な要素、安全の要素、社会的な要素、自我、尊厳の要素、自己実現の要素。

どれが欠けてもうまくいきません。
フライトは総合力とバランスです。
このピラミッドがいびつな形であれば、不安定でバランスが悪く結果的にリスクがある状態になります。
とても欲求が満たされることはありません。

モノが満たされた時代に豊かに生きるとは、欲求の段階に沿って考えてみるとヒントがあるかも知れません。

フライトへの欲求が沸き起こったあなたはコチラ!


投稿者名 上野陸 投稿日時 2016年05月12日 | Permalink

JBからグルーブを教えてもらった


ゲロッパ♪ アゥッ!
朝から頭の中でリフレインしてます。 

ファンクの帝王  ジェームズ=ブラウンは【グルーブ】という言葉をよく使っています。

【グルーブ】とは、音楽で使われるノリとかうねりというニュアンスの言葉です。
説明が難しいです。

パラグライダーは気流の中をフライトするのですが、この風のうねりや波のリズムは【グルーブ】感と同じだと思ったのです。

音も空気の震えだものね。
楽器、歌、観客によってその波長が共振すると【グルーブ】感が生まれてくる。

僕らも同じで、【風】と【パラグライダー】と【パイロット】のリズムがうまく合わないといいフライトはできないです。

この要素が噛み合ったときには気持ちがいいものです。

どれかの要素だけ突出していても、欠けてもだめです。

風と共振し【グルーブ】するためにはバランスが大切なのだと思うのです。

自然の【グルーブ】感を感じるために、パラグライダー体験、ライセンスコースに挑戦してみませんか


投稿者名 上野陸 投稿日時 2016年05月10日 | Permalink

事故がなくならない理由 再考

ゴールデンウイークになるとアウトドアでの事故の報道が多くなります。

自戒も込めて、今年の春にJPAの事故対策会議のセミナーが行われた芳賀繁繁先生の「事故がなくならない理由」を読み直してみました。

その心理的なメカニズムを知り、「リスクはゼロにできない」ので積極的にリスクマネジメントをしていくのは、パラグライダーだけではなく変化が早い時代にはいいトレーニングになるのではないでしょうか。






ゴールデンウイーク最後の週末もハッピーランディングで締めくくりましょう!



投稿者名 上野陸 投稿日時 2016年05月07日 | Permalink