同調性バイアス


今日は、同調性バイアスの話をします。
空気を読むとか右に倣えみたいなものでしょうか。

グループでパラグライダーを体験する場合には、最初の人の出来がその場の空気を作ってしまう傾向にあります。
初めて空を飛ぶので、少なからず不安があるからです。

人は社会的な動物ですので、二人以上の複数になると集団的な心理が働きます。

集団の空気に行動を合わせてしまうことを「同調性バイアス」といいます。
認知バイアスのことで偏り(かたより)のことです。思い込み、先入観とかです。

グループで最初に上手くフライトできると、「俺も飛ぶぞ!」とモチベーションが上がるのですが、最初に失敗し「むずかしい」と口に出してしまうと「むずかしい」症候群が発生します。「むずかしい」症候群は思考停止を招いてしまいます。

フライトするという遺伝子はヒトにはありません。後天的に学習するものなので、上手くいかなくて当たり前なのです。
改善を重ねればよいので、できないことができることを楽しむものとも言えます。

またよくある場面としては、テイクオフでは緊張し心理的にストレスがかかる状況です。
認知バイアスが起こりやすい場面です。

テイクオフで前でトンビが上げているのに、見合ってだれもテイクオフしない。
雲ゆきが怪しくなっているのに、一人がフライトすると我先にとフライトしてしまう。

災害で避難しなければならないのに、この同調性バイアスとみられる避難行動をしないことによって、逃げ遅れるケースが報告されています。

社会生活を送るためには空気を読むのも必要な能力の一つです。
同調性バイアスは、自然の脅威のなかで生き延びてきた戦略だという説が納得がいきます。
敵から自分の身を守るために集団を形成し、大きく見せる。攻撃された場合には、捉えられた個体以外が、その隙をついて逃げるという戦略です。

人類は自然の脅威にさらされていた時間のほうが長いので、非日常、ストレスのかかる場面では、合理的ではない認知バイアスが起こりやすいのです。

ではどうすればいいのかというと、具体的な計画、リミットなどの行動を予あらかじめ決めておくことにつきます。
こういう心理が働きやすいことを知っておくと判断の助けになります。

パラグライダーは、非日常の事態が発生した時のいいトレーニングになります。
自然の変化に行動を合わせなければならないという要素があります。
キャンプは生きる基本である衣食住の実践になります。

楽しみながら生きる力を育てましょう!

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投稿者名 上野陸 投稿日時 2018年10月17日 | Permalink