加重のかかったライズアップ



パラグライダーは、最初に翼をつくるライズアップをしなければなりません。
このライズアップを行うためのヒントを探ってみましょう。

パラグライダーは、22~28m2の大きさがあります。
重量は約5kgです。(平均的に)
ライズアップはキャノピーを形作り約8mの高さまで持ち上げる行為です。

翼の形状は風向きに正対し、エアインテークの形を整えてあげればいいです。
今のパラグライダーは、前縁の形状が形造られ軽くなっているので、エアの入りがよいです。
初動と左右均等に力がかかれば自動的にライズアップできる仕組みです。

パラグライダーの大きさと重量のため、初動で加重をかける必要があります。
(体重を加えるという意味で、加重という漢字を用います。)
5kgのお米のパックを8m上げるには結構な勢いが必要ですよね。

では初動はどのくらいの力が必要なのでしょうか?

「左右のカラビナに均等に荷重がかかるように、キャノピーをライズアップします。この時、決して腕に力がはいらないことが大切です。腕力に頼らず、体全身を使ってライズアップするようにします。」
(JPAパラグライダー最新テクニックブックより)

この「体全身を使って」とは、重力を使うことです。
言い換えると適度な重心の移動によって加重がかかります。
体重移動です。
この感覚を体得してみましょう。

人の重心は、おへそあたりにあります。
「気をつけ」の姿勢から、手だけ休めの位置にします。
重心の横です。おへそのあたりに丸い玉(重心)をイメージします。
そのまま前に倒れ込み足を踏み出します。
(※倒れないでください。)
重心の移動が実感できましたか?
前後左右も同様にトライしてみましょう。
重心の移動が分かりましたか?

自然に前傾ができるとOKです。
頭や上体に意識がいってしまってはいけません。
加重、重心の移動が肝心です。
後はスムーズな足の運びで加速します。

手に力が入ってしまう人は、ライザーの持つ位置を変えてみてください。

力が入りすぎる人は呼吸に気をつけてください。
無酸素運動になっています。
無酸素運動は、瞬間的に強い力を使うための呼吸です。
ライザーを引き込んでしまい、グライダーを変形させてしまいます。
ライズアップ後ハアハアいっていたら気をつけてください。

ワンフライトに一度は行わなければならないライズアップ。
スキルの問題なのでトレーニングによって取得できます。
安全で楽しいフライトのためにもライズアップのスキルを身につけましょう。



この動画は、初動の加重を実感してもらうために、弱風時に強調して動作しています。
リアルコンデションでは、スムーズな動作が必要です。


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投稿者名 上野陸 投稿日時 2016年09月09日 | Permalink